成功する要求仕様、失敗する要求仕様

成功する要求仕様 失敗する要求仕様

成功する要求仕様 失敗する要求仕様

かなりお勧めの1冊です。要求仕様書の記述や要求の収集のやり方が書かれている書籍は数多くありますが、「ちょうど十分な要求仕様」をまとめる実践的な考え方を紹介する書籍は珍しいです。この書籍では、要求の収集、要求のトリアージ、要求の仕様化という3つのフェーズに分けて、要求ベースラインを構築することを説いています。


特に私が注目したのは要求のトリアージの部分で、次のマイルストーンまでに満たすべき要求を優先度やリスク、作業見積もりなどから総合的に取捨選択することを勧めています。ここでも重要なのはバランスということですね。開発者の視点だけでなく、マーケティングの視点、財務的な視点などのバランスを取って、要求を選択する。目からウロコが何枚か落ちました。
#トリアージというのは救命医療の用語らしく、大地震などの災害で大量の負傷者が発生した際、医者が患者を「手当しても助からない、手遅れの患者」「手当すれば助かる患者」「手当しなくても助かる患者」と最初に色分けし、手当てすれば助かる患者を優先的に治療するというところからきてるそうです。


アジャイルでも何でも要求ベースラインを構築するのは必要不可欠なことです。ソフトウェア開発に限らず、今何をすべきかを明確にし、それを実行するという当たり前のことが重要なんだというところに改めて気付かされます。

顧客の要求がコロコロ変わって・・・とお悩みの方、ご一読ください。