Agile Conference 2007 Day 2

アメリカ滞在2日目にしてメタボの進行が気になり始めました。アメリカの食事がもう、どんだけぇ〜!!な量がでてくるもんで・・・。そんな話は置いておいてセッションの報告です。

【Keynotes】
キーノートでは最初にカンファレンスの概要について説明がありました。参加人数が1112人(!)で、しかもそのうちの600人ほどが初参加というのはすごいですね。きてるなアジャイル・・・。ちなみに内訳では日本人3名(知っている人だけかw)で、他にはインド6名、中国1名でさすがにアメリカ国内からの参加者がほとんどです。
キーノートのメインスピーカーは、Susan Ershlerという女性の登山家で、知的&行動力のある素敵な方でした。私は全然知らなかったのですがアメリカでは有名人みたいですね。

Susan Ershler
http://www.susanershler.com/

話もエベレスト登頂の時の写真をふんだんにまじえながら、会場も非常に盛り上がっていました。ところどころに混ざるジョークに反応できないのが英語力のなさを痛感して悲しいですが。スピーチの最後にエベレスト登頂前のセレモニーでやった天気が良いことと旅の無事を祈るのになぞらえて、カンファレンスの成功を願って隣の人と緑の紐を首にかける儀式をやって、また会場が盛り上がりました。やはりアメリカ人はプレゼン&盛り上げ方が上手です。


Agile and Entrepreneurial Thinking Patterns】
パターンの言葉につられて参加したんですが、アジャイルと起業家(Entrepreneurial)の共通点の話でビジネス用語がバンバンでてきて電子辞書で調べまくりでした。そんな中でも面白かった話が、”予測は計画では無い(Prediction is not planning.)”で、人は自分が見たいものしか見ないという(You see what you expect to see.)ことや予測に基づく計画の危険性と変化の多い環境での計画があまり役に立たないということから、計画から予測を排除し、計画に固執しないことの大切さを説いていました。

ここからは私の意見ですが計画から予測を排除するには、"人の意見を聞くこと"、これに尽きると思います。何故かというと一人の考えだけではどうしても、その人の好みや考え方、立場に偏ったものになってしまうからです。そこで出来るだけ視点の違う(立場の違う)人の意見を取り入れて、計画を合意することが重要になってきます。


【Lean and Agile in the Large】
今日一番面白かったセッションが、Dave Thomasのこのセッションでした。内容は大規模にいかにアジャイル開発を適用するかという話ですが、規模に関係なく役立つ話が満載でした。たとえば要求の話では、

  • Requirement MUST bu understandable.
  • Requirement MUST have business value.
  • Requirement MUST be testable.

こんな感じで他にもフィーチャーの話やストーリーの話もあって、今まで要求、フィーチャー、ストーリーとすっきり区別して理解できていなかったのですが非常に納得できるものがありました。他にもメトリクスや依存性の管理などの話もあって非常に濃い内容でした。ここのセッションPPTは、Dave Thomasから直接もらって必ず読みなおそう。


Agile Project Management for contributors and management】
こちらはジム・ハイスミスによる初心者向けのアジャイルプロジェクト管理のセッションでした。この中でも要求はビジネス価値を含んだものであるという話があったので、この辺りはアメリカではある程度統一された言葉になっている感じがしました。日本だと、要求はお客さんからの要望・・・程度の位置づけが多いと思いますが、ビジネスに価値を与えるものという前提で議論できればまた違ったものになってくるのでは無いでしょうか。



しかしアメリカでは、Dave Thomasやジム・ハイスミスのように50歳代(?)でもトップレベルで活躍できて羨ましいですね。日本だと年齢を重ねると管理者に押し上げられてしまうというのは構造的な問題でしょうか。

最後におまけで会場の様子とワシントンDCの風景の写真です。


明日からもセッションがんばるぞ!!